「女帝」メリー喜多川氏は今年「90歳」
人気アイドルSMAPのジャニーズ事務所からの独立騒ぎで、SMAP育ての親の飯島三智マネージャー(58)と事務所の“女帝”と称されるメリー喜多川副社長との確執が盛んに報じられた。
『週刊文春』誌上でのメリー副社長のインタビュー記事を読むと、この人が社員だけではなく、タレントの運命そのものを握り、誰も逆らうことを許さない絶大な権力を持っていることがうかがえる。彼女の言動からどうしても「老害」という言葉が浮かんでくる。
老害とは以下のように解釈されている。
「硬直した考え方の高齢者が指導的立場を占め、組織の活力を失うこと」(広辞苑)
「企業や政党などで、中心人物が高齢化しても実権を握り続け、若返りが行われていない状態」(デジタル大辞泉)
各紙誌の報道によれば1926年生まれのメリー副社長はすでに89歳、弟のジャニー喜多川社長も今年85歳になると言われる(メリー氏の娘でジャニーズ事務所次期社長と目される藤島ジュリー景子氏は49歳)。しかもジャニーズ事務所は1962年創業の老舗であり、年商も1000億円と推計される大企業である。外形的には「老害」の要件を満たしている。
老害は辞書では組織の活力を失わせる、若返りが行われないという弊害を生むと解説されているが、それにとどまらず企業の成長を阻害する深刻な事態をもたらすこともある。
そもそも自分が老害であると自覚している経営者は少ない。長くトップに君臨していると、経験が豊富なだけに周囲の人間がどうしても劣っているように見える。
部下に何かを指示しても自分が思い描くようなアウトプットを出さないために不安になる。そして自分がまだまだがんばらなければいけないと思いこみ、今の地位を退くことを考えなくなる。