「CM=0円情報」を生かすも殺すも自分

CMは、「0円情報」だ。ほとんどのテレビ視聴と同様に、またオンラインニュース・記事の閲覧と同様に、お金はかからない。それを、しっかり見るも、スルーするも本人の自由だ。

しかし、私の経験でいえば、ビジネスパーソンとして一流か否かを分けるポイントの1つは、この0円情報への接し方であると常々感じている。

12月1日、CMに特化した日本最大級のウェブサイトが立ち上がった。その名も、「CM Fun」。世界中のCMを楽しもう! がキャッチフレーズで、YouTube公式チャンネルから、人工知能を用いて集めた常時15万件もの作品(4~5割は海外作品)を無料で見ることができる。検索機能もあり、関心のあるテーマ・人物を自由に閲覧できるので、けっこう楽しい。

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常時15万ものCMを収蔵。4~5割は外国作品だ。日本の作品とはひと味違う作り方は、なかなか面白い。サイトトップには「たべる・のむ」のほか、「くらす」「まなぶ」などのカテゴリーがあり、コピーライターによるコラムもある。「CM Fun」https://cmfun.net/

男性なら、「美女」出演CMを一気に見て目の保養をしてもいいし、女性なら、「イケメン」CMでこっそりうっとりタイムに浸るのも悪くない。横並びに、一気に柔軟剤や化粧品のCMを見比べる、なんてこともできる。

よく考えると、これまでありそうでなかったサービスだ。それに、単なるCMのアーカイブではないという。

プロのコピーライターたちが独自の視点で、最新のCMやちょっと面白いCMを紹介するコラムを毎日更新するなど、ナビゲートをしてくれるらしい。そして、そうしたサイト内の編集の指揮を執るのは広告界の大御所、岡田直也氏だ(豊島園の「プール冷えてます」「史上最低の遊園地」、西武百貨店「ポスト・フダン」などのコピーで知られる)。

運営会社(サイト名と同じ・東京世田谷区)CEOの桐谷直毅氏が狙うターゲットは、全生活者。テレビをあまり見なくなった若者から、日常消費の選択権を持つ主婦までと幅広いが、「CM Funには、特にビジネスパーソンが見ると得られるメリットが5つある」と言う。

「0円情報」を価値あるものにできる者が、人の上に立つのだ。