「15秒で伝える技」はプレゼンに応用可能

メリット4:プレゼン力を鍛えられる

「ぼくら制作者は、15秒CMをつくるとき、なにを残すか、なにを覚えてもらうかを綿密に計算します。ほんと、短いですから」とは、同サイト編集長の岡田氏の弁。

多くのビジネスパーソンは取引先や会社上層部相手のプレゼンをする際、それほど多くの時間はもらえないに違いない。プレゼンは動画ではなく紙ベースだろうが、時間制限があるという意味でCMと似ている。

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「ワコール」CMから。「下着」で検索すると国内外の下着CMをたくさん閲覧できる

CMの作り手は情報を可能な限り削ぎ落とし、最も重要な部分を相手の頭に残さなくてはならない。その表現のテクニックや構成力、相手にメッセージを届けるため綿密に計算する力は、CMをたくさん見ることで鍛えられるのではないか。

同サイト内には、国内外の長め(2分程度)のweb向けCMも集められているので、構成のメリハリの利かせ方やサプライズ感の演出方法なども勉強できる。プレゼンだけでなく、ユーチューバーのように動画をアップする趣味があるなら、その役にも立つかもしれない。

メリット5:「CMを見に行く」という新習慣

ドラマのいい場面で、CM。これはもうお約束だが、視聴者はいつどんなCMが流れてくるかわからない中で、それを半ば強引に見せられるような体験が繰り返し行われている。

「現在のテレビを中心としたCM視聴環境は、『偶然接触・強制視聴・受動的視聴・複数回接触』で、結果的にCMが嫌われやすく飽きられやすく広告効果が浅くなりがちな構造を作ってしまっている」(桐谷氏)

CMは大きなコストをかけた「作品」。何かしらの価値を抽出できるはずだ。にもかかわらず、視聴者にとっていまだトイレタイムだったりスキップされたりと、扱いが低い。逆に、「あのCMもう一度みたい」と思っても、偶然出会うものだから、見たいときにみることはできないのが現状だ。

そう考えると、自分が見たいときに、見たいだけ、見たいCMを見に行くというのがもっとも有益ではないか。同サイト内容なら「CMを待つ」のではなく「CMを見に行く」という新しい行動習慣ができる。それが定着すればビジネスパーソンは、ただCMを流し見る(時間浪費)のではなく、高効率で働く“情報狩人”になれる。