なぜ、日本の管理職は「落ちこぼれ」か?

日本と世界の管理職の収益力格差について、戦略だけではなく、管理職には様々な反省点がある。

[管理職のパフォーマンス力]

日本企業 40点
海外企業 80点

管理職のチャレンジ力

日本企業 50点
海外企業 90点

過去2回にわたって、収益力が低いと言われる日本の大企業の管理職の実力を“採点”し、その解説をしてきた(http://president.jp/articles/-/16512http://president.jp/articles/-/16794)。

今回はその最終回、「日本人管理職の先見性」について意見を述べたい。文末では、そうした日本人管理職が今後どのような取り組み・対策を始めるべきかについて総括しまとめている。

[管理職の先見性

日本企業 40点
海外企業 70点

日本企業の管理職は目の前の市場を必死にこなしている中、海外の大手企業では2020年に向けた戦略の仕込みと行動計画を着々と進めている。じわじわくる中国ショックを先読みしつつ、2015年の年頭から新興国から先進国市場へとシフトするなど、早い時期から先手を打っている。

海外企業が着目するのは収益構造であるため、先々の市場に備えて素早く収益改革を行う。

例えば、

・事業内容
・組織のヒューマンリソースの能力要件と配置
・組織運営の仕組み
・市場活動との連動

など、次の市場戦略に向かって現場や人がどんどん刷新されていく。そのいい例が、GEだ。再び製造業に本腰を入れると宣言し、金融や不動産業を売却し経営資本の集中を図っている。