意思決定のスピードアップ、現場への権限委譲、人件費削減のために、多くの日本企業で組織のフラット化がすすめられた。しかし、フラット組織はうまく機能しているのだろうか。グーグルのようなフラット組織の成功例とはどこが違うのだろうか。
組織のフラット化で増えた管理職に対する不満
かつて日本企業では、評価査定によって昇進の階段を駆け上がり、賃金も上げることができたため、定年まで勤めても従業員全員が仕事を生き甲斐に働き続けることができました。しかし1990年代後半から成果主義や組織フラット化という改革を進めた結果、評価査定や管理職に対する不満が増え、職場は活力を失い混沌としています。
その理由として挙げられるのが、フラット化でヒエラルキーをなくしたことによる「インセンティブ機能(動機づけ)」の低下です。フラット化導入前の研究では「査定によって、賃金、特に昇進・昇格に差をつけてきたことが日本の労働者のインセンティブ向上に役立ってきた(*1)」(橘木俊詔)と考えられてきましたので、フラット化導入後はそこに影響が出ていると推測されます。
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