引く手あまたのエグゼクティブに共通する点とは
経営幹部レベルのエグゼクティブには、どのようなスキルが求められるのだろう。我々は、第一級のグローバルなエグゼクティブ紹介会社で働くシニア・サーチ・コンサルタント32人にインタビュー調査を行った。経験豊富なコンサルタントは、何百人、ときには何千人ものシニア・エグゼクティブと面接する。彼らのスキルを評価し、長期にわたって追跡し、ときには同じ人を同種の職に何度も斡旋するのだ。また、エグゼクティブたちが採用契約で何を最も重視し、転職するかどうかをどうやって決断するかを観察する。
多くのコンサルタントが、エグゼクティブは中核的なスキルとして第一級の専門スキルとソフト・スキルを備えている必要があると力説した。業種や職種によっても異なるだろうが、最新の金融スキル、専門スキル、マネジメント・スキル、リーダーシップ・スキルはどのような職でも重要だ。「柔軟性」「適応力」「好奇心」という言葉も、彼らの口からたびたび出てきた。あるコンサルタントは、典型的な引く手あまたのエグゼクティブを「新しいスキルを吸収する」用意や「周囲の人々から学ぶ」用意がある「スポンジのような人」と表現した。
別のコンサルタントは重要なスキルとして「学習意欲や環境の変化に適応する意欲」を挙げ、さらに別のコンサルタントは「適応力、多文化環境で活動する能力、積極的に学習する姿勢」を挙げた。公式の要件をそのまま述べたような説明をしたコンサルタントもいた。また、一部のコンサルタントはある回答者の言葉を引用し、「自分の中核的な強みがある分野に徹底的に集中し、その分野で誠実に行動し続けること」を勧めた。
自分の専門スキルを絶えずリフレッシュすることを勧めたコンサルタントもいた。「業界で何が起こっているかをつねに把握しておくことはどんな場合でも重要だ」と、あるコンサルタントは言った。「自分のITスキルをアップデートし、新しいコミュニケーションやインタラクションの方法(ソーシャル・メディア)に精通することも、きわめて重要だ」。
また、エグゼクティブは変化を予測しなければならない。進化することを怠るエグゼクティブは「急速に変化している市場で置き去りにされるだろう」と、ある回答者は言った。
最後の点として、チームづくりのスキルはきわめて重視されており、しかも、急速に変化している。エグゼクティブは共同設置チームや職能横断型チーム、グローバル・チームやバーチャル・チームを管理する立場につく可能性が高い。したがって、直感ではなく、チーム管理に分析的な手法を適用することやベスト・プラクティスに精通することがますます期待されるようになっている。
では、必要なスキルについて、エグゼクティブはどこにアドバイスを求めるべきか? コンサルタントたちによれば、次の4つの源泉から情報を得るとよい。