「あなたの人生は100点満点で何点?」
「人生に満足している」人は少数派に違いない。
容姿、収入……人は心のどこかに「こうだったらいいのに」という思いを少なからず持っている。普段は、こうした不満を意識していなくても(もしくは封印していても)、第三者から指摘されると、自分のなかの不満が一気に顕在化することがある。
高額な商品を売りつけようとする、街頭のキャッチセールスが行うアンケートには、次のような項目がある。
「あなたの生活の満足度は何点ですか?」
そう聞かれて、「100点満点です」と答える人はまずいない。たいがいは、60点とか、70点とか、無難な答えをするに違いない。
仮に70点と答えると、「足りない30点は何ですか?」と勧誘員は尋ねてくる。
「仕事をやめてから、次の就職先が決まらない」
「恋愛がうまくいかず、結婚ができない」
現状への不満や悩みを話すと、それを聞いた勧誘員らは、その足りない点数分を解消するための方法を指南してくる。
たとえば、高額な自己セミナーへ勧誘する業者は、有料の講座を受ければ、ものの見方が変わり、思い通りの不満のない人生を送ることができる、などと言ってくる。不平や不満といったネガティブな感情を聞き出し、それを埋め合わせてあげます、と言わんばかりに「商品」や「サービス」を売りつけてくるのだ。