私はこうして新型の内職・副業商法に騙された
ある求人サイトにメールマガジン作成のアルバイトの募集があった。早速問い合わせると業者は言った。
「時給は800円ほどで、自宅で1~2時間働くだけで月に10万円は稼げます」
言われた通りに登録料3000円を払い、仕事の契約をする。その後、業者の指示で商品を売るための広告文章作りの研修を3日間ほど受けると、その報酬として数千円が口座に振り込まれた。
これが、正当なビジネスにも応用できるワルたちの「損して得とれ」戦術(後述)の幕開けだった。この研修が終わると、業者は別の業務があることを切り出した。
「実は、このメルマガ作成の業務はあまり儲からないのですよ。それよりも、自分のウェブサイトを開設して、そこで商品を販売した方が収入があります。やってみませんか?」
聞けば、サイト開設費用として30万円以上必要だという。急な話に悩んでいると、業者はこんな甘い言葉を語りかける。
「もし開設費用分(初期費用)を稼げなかったら、全額返金します」
すでに研修を受けて報酬ももらっており、それなりに業者への信頼感を持っている。「全額返金」と業者がいうのには、商品販売に自信があるからなのだろう。今後、より大きな収入を得られるならば、これくらいの投資はやもうえないかと思い、契約に応じることにした。
その後、商品販売のホームページができ、文章作成の仕事が与えられて、数通送ると、口座に数万円が振り込まれた。しかし、それ以降は、一向に報酬が支払われない。
業者に問い合わせると、こう返答した。
「あなたの販売サイトのアクセスが集中して、多くの人がHPを見られずにいる。そのために商品が売れない状況になっており、報酬が出せない」
さらに、こんな新たな提案をする。
「サーバーの容量を拡張すれば、多くの人がアクセスして、もっと稼げるようになります。拡張費用には400万円かかりますが、そのうち200万円を当社が負担するので、残り半分を負担して頂けませんか」
しかたなく200万円の追加費用を払った後、業者から一度数万円が振り込まれたものの、それ以降、入金はない。再び問い合わせると、業者からは「あなたの書いた文章が下手だから」などと言われ、頭にきて全額返金の要望をしたが、業者は応じようとしなかった――。