「数値化」すれば誰でも儲けられる
先に述べたキャッチセールスは、100点中何点の満足度かを尋ねて、不満部分が30%と知ると、その内訳について、詳しく尋ねる。
「不足な30点分は何ですか?」
「仕事上の人間関係がうまくいっていなくて」
「それは大変ですね。その思いが大半を占めているわけですか」
「ええ」
30%のうち、15%が仕事関係に不満ありと知ると、さらに「○○さんは、気を遣うタイプのようにお見受けしますが、他にも何かご苦労がおありでしょうね」と残りの15%についても尋ねてくる。
こうして、相手の中にあるネガティブな感情を次々にさらけ出させてくるのだ。ここにあるのは、悩みなどのネガティブ情報をパーセンテージにした数値化である。
言うまでもなくビジネスにおいても、数値化にして考えることは大事なことだ。それにより問題点がはっきり見えてくるからだ。「営業所の売り上げがあがらない」という漠然とした意見ではなく、具体的に、どの商品の売上げがどのくらい減っているのか。
売上げを上げている人と、そうでない人とのパーセンテージはどのくらい違うのかなど、数字にして表すことで、説得力が生れてくる。
社内外に向けたプレゼンでも、不採用になったものの多くは、数値が曖昧になっているといわれる。そこには、どのくらいの期間に利益がどれくらい望めるのか、それに対するコストパフォーマンスはどれだけなのかなど、具体的な数字が欠落していうことが多い。
私たちは不満や不平はただのグチと思って聞き流してしまうが、使いようは十分にあるものだ。売り上げを伸ばした商品には、消費者からの不平・不満などの意見を参考に発想されたものも多い。心にあるネガティブな思いを利用することで、大きな利益をあげることは可能なのである。