説明を求められたとき、親切な伝え方はどのようなものか。広報アドバイザーの鶴野充茂さんは「スマホを普通に使いこなしている人は、高齢者にスマホの使い方を聞かれた際に、求められている以上のことを一度に説明しがちだ。説明上手な人は、先に困っていることを聞いて相手が求めている情報は何かを探る」という――。

※本稿は、鶴野充茂『上手に「説明できる人」と「できない人」の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

VPNを使う人
写真=iStock.com/PonyWang
※写真はイメージです

求められている以上のことを一度に説明しがち

上手に説明できる人は不可欠なものを伝えようとする、
できない人はたくさん伝えようとする。

高齢者にスマートフォンの説明をした経験はあるでしょうか?

「使い方がよくわからない」と言われたとしましょう。

×「まず、設定の仕方ですが、○○を開いて……。アプリはこのボタンを押して……。カメラの使い方は……。インターネットやSNSなどの見方は……」

「そんなに難しくないし、一気に説明したほうがいいだろう」

そう思い、一つひとつ噛み砕いて教えていきましたが、「やっぱりよくわからない」と言われて、途中で説明するのが面倒になった人もいるのではないでしょうか?

これは、説明下手な人の例であり、そしてスマホを普通に使いこなしている人たちによくあるパターンだと思います。

なぜ「通じない」のでしょうか?

多くの人が頭ではわかっていることと思います。「求められている以上のことを一度に説明しているから」です。

一方、説明が上手な人は、先に困っていることを具体的に聞きます。

○「スマホの操作のどこで困っていますか?」

もし、この質問に対し、「メッセージの送り方がわからない」と返ってきたら、それだけをまず説明します。そして相手が使えるようになれば、ひとまずそれで解決です。お互いにハッピーなのです。