情熱を追い求めない「言い訳」

「立派なキャリアに必要なモノ。それは、”情熱”です」

情熱と、ただ興味があるのとは大きく違う。情熱とは、あなたの持てる才能を最高の形で表現するための道具のことであり、多くの興味の中から唯一強く引かれ、他と比べようがないほど深い愛情を注げ、最も深く愛する「運命」を感じるもの、と定義づける。

たとえば、プロポーズをするときに「結婚しよう、君に興味がある」ではなく、<興味>を<愛している><運命を感じる>などに置き換えたほうが情熱を感じるだろう。仕事のアプローチでも同様で、重要なのはそこに感じる“情熱”である。

ラリー氏はこんな風に続ける。

「子どもが『夢がある』 と言ったとき、子どもの目を見つめて『やってみなさい 私がやったように』と言ってやれるかもしれない。しかし皆さんには言えないのです。やっていないから言えないのです。でも実際、自分ではわかっているはずです。これらの言い訳が、自分自身を納得させる以外に使い道はないということを……」

こうして、“言い訳”という人間の不幸のありったけをパンドラの箱から取り出した最後に、「Unless ただし……」と、聞き手にとって改善の余地という“希望の余韻”を残して立ち去った。