具体的な言葉で聞き手を引き付ける
「あの人もそうなのか」と思ったとき、自分を肯定されたような安心感を得られた経験をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないだろうか。さらには、相手が社会的に認められた人であるほどに、より後ろ盾がついたような自信が持てるかもしれない。
この「あの人」として話の中に人物を登場させるときには、偉人でも近所の人のことでも、できるだけ具体的に、できれば名前を言うことがより聞き手の心をつかむために有効だとされる。人物の名前を使うことで、より話が具体的で真実味を帯びてくるからだ。さらには、その場にいる聞き手が好ましく思えるような人物を例に挙げるほどに、より聞き手を惹きつけるだろう。
スーザン・ケイン氏はTEDのプレゼンで、社交的で活動的であることが評価される文化において、内向的であることは肩身が狭く、恥ずかしいとさえ感じられると話を進めていく。けれども、内向的な人が世界に向かって才能と能力をもたらしているのであり、内向性はもっと評価、奨励されるべきであるとの主張をした。話の中で、“内向的であった偉人たち”が次々と登場する。それぞれの存在が話のサポートとなって、とても魅力的にしあがっている。その効果的な登場のさせ方、それからスーザンの主張自体も含めてみてみよう。