よい対立こそ進歩の要

仕事において、対立関係といういのは無駄に時間を浪費したり、あるいは途方もない疲労感生み出したり……できれば避けて通り、スムーズにすべてを終わらせてしまいたい場面も多々おありではないだろうか。

互いに“伝わらない”と感じ、不調和がみられるとしたら、互いの認識のどこかがずれている可能性が考えられる。ただこれが、対立関係ではなく“対立する思考”だとしたら、「認識のズレ」や「間違い」を互いにすりあわせてズレを解消することで、問題が解決される可能性もありえるだろう。ピーター・ドラッカーは「対立大いに結構。正反対大いに結構。これも一つの自然の理ではないか。対立あればこその深みである。妙味である。だから、排することに心を労するよりも、これをいかに受け入れ、これといかに調和するかに、心を労したい」(*)と記している。

多くの人間は本能的に対立を避けようとするが、マーガレット・ヘッファナン氏はTEDで「よい対立こそ進歩の要なのだ」と説いている。実は、最良のパートナーとは自分の考えに同調する者ではなく、素晴らしい調査チーム、仕事関係、ビジネス関係にあることであり、深い対立を容認することで、そこには最高の考えが生まれるというのだ。

ヘッファナン氏は、あるひとりの女性医師の例をあげて、対立が生み出す生産的な関係を語っている――。