“ありきたりな素材”で“ありきたりじゃないプレゼン”に仕上げる
「成功者だけが知る、8つの秘密」と、「成功とは終わりなき旅」と題されたリチャード・セント・ジョン氏のプレゼンテーションがTEDのサイトに掲載されている。ご覧になった方もいらっしゃることだろう。どちらも、3分~4分弱と短く、ひとつは「学生に2時間かけた内容を3分で話します」と前置きをしているほどギュッと凝縮された濃い内容で人気だ。登場するモチーフはありきたりなのに、プレゼンテーション(提示の仕方)がうまいのである。まず「8つの秘密」のプレゼン内容を見ていこう。
内容は、ある貧しい家庭の少女に出会い「成功する秘訣は?」と聞かれて答えられなかったことをきっかけに、7年かけてTEDに登壇する成功者たち500人にヒアリングしていくことに始まる。これが導入の序論部分であり、本論への流れをつくっていく。
本論に入ると、8つの成功の秘密が紹介されていく。
【1】Passion(熱意)、【2】Work(働く)、【3】Good(特技)、【4】Focus(一点集中)、
【5】Push(押す)、【6】Serve(役に立つ)、【7】Idea(アイデア)、【8】Persist(貫徹する)
文字から受ける印象はどれも“いかにも”な言葉であるし、説明がなくてもおよそ内容の見当はつく。では、自分ならどんな風に聞き手に提示していくだろうか? ちょっとしたワークショップのように、まずは自分で3分間の話を組み立ててみてもおもしろい。ポイントは、ありきたりな素材を使って、いかに “ありきたりを脱し”“聞き手の興味を喚起するか”だ。