「成功への8つの秘密」の提示方法
【1】Passion(熱意)―フリーマン・トーマス曰く「熱意こそ私の原動力」。好きだからやっているのであって、お金が目的ではない。 キャロル・コレットは「人を雇ってでも 今やっている事をやりたい」。熱意に従えばお金は後からついてくる。
【2】Work(働く)-ルパート・マードックによれば「全力でやろう。 簡単な事などないが、やっていてとても楽しい」。仕事中毒ではなく、仕事オタク。
【3】Good(特技)-アレックス・ガーデンは「成功するために、特技を持とう」という。近道はない。そのためには、練習! 練習! 練習!
【4】Focus(一点集中)-ノーマン・ジュイソンによると「すべき事は、ひとつの事に集中することだ」という。
【5】Push(押す)-デイビット・ガロ曰く「自分を後押ししよう。 物理的にも、精神的にも押す! 押す! 押す!」。恥や自信のなさは 押し出すんです! でも、ときに自分だけではどうにもならない。だからみんな自分を押してくれる「母親」ってやつを発明したんです。
【6】Serve(役に立つ)-シャーウィン・ヌーランドは「医者として役に立てたのは光栄でした」という。沢山の子どもが億万長者になりたいと言うときに、まず答えるのは 「他人の役に立つ何か“価値”」を与えよう。それが唯一、大金持ちになれる方法です」。みんな「“自分が欲しい物”にはお金を惜しまない」からです。
【7】Idea(アイデア)―ビル・ゲイツによると 「世界初のパソコンソフト会社を創りたいと思った。」発想力を身に付けるのに近道などなく、基本をやり続けるのみです。
【8】Persist(貫徹する)―ジョー・クラウスは 「貫徹することで私たちは成功できた」という。失敗してもやり通す。「向かい風」の中でも貫徹する! ここで言う「向かい風」とは→「批判、無視、嫌なヤツら、プレッシャー!」
そして、最後の締めくくりで、「この8つを続けよう!」とまとめている。
全体の構成は典型的な「序論、本論、結論」ながら、本論に厚みをもたせ、ストーリーとして流れて行くよりも、8つが同列で紹介されているところが特徴的だ。
一方、「成功とは終わりなき旅」のプレゼンでは、主に自分の失敗談をストーリーにのせたエピソード型の流れであり、自分が“怠るべきではなかった”「成功の要素」をあげていく。エピソード型の場合、「経験に基づいた知識を提供されることで、それぞれが抱える問題を解決し目的を達成する役にたつ」ことが、聞き手にとっての価値になる。こちらのプレゼンもおもしろいものの、「8つ」と比較をするならば、テンポがゆるやかでキャッチーな言葉やフレーズが少なく、全体に平坦だ。
ひとりのプレゼンターのふたつの優れたプレゼンを比較してみると、くっきりと「よりインパクトのあるプレゼン方法」が見えてくる。両方見ても8分弱と短く全体の構成もつかみやすいから、このふたつの異なるプレゼン方法を比べてみると、テンポかエピソードかあるいは別の方法か……自分にあったスタイルや、プレゼンの改善点も浮かびあがりそうだ。
[参考資料]
TED Richard St. John : 8 secrets of success , Dec 2006
http://www.ted.com/talks/richard_st_john_s_8_secrets_of_success
TED Richard St. John : Success is a continuous journey , Jun 2009
http://www.ted.com/talks/richard_st_john_success_is_a_continuous_journey