ギフトを中心に苛烈な販売競争
新浪剛史ローソン会長が、サントリーホールディングス(HD)の社長として招聘された。サントリーと三菱グループの接近、キリンビールとの統合話の再燃といった憶測もさることながら、新浪に託される最大のミッションがサントリーの海外展開であることは、社内外の見方が一致するところである。
もっともこれは、国内市場ではこれ以上の大きな成長が期待薄であることの裏返しでもある。国内のビール系飲料の売り上げが年々右肩下がりを続けているのは周知の通りだ。
そんな飽和した市場で今、活況を呈している数少ないカテゴリーが、「プレミアムビール」である。
価格を高めに設定した高付加価値の「プレミアムビール」。サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」が主導し、サッポロ「ヱビスビール」が鎮座するこの市場に、昨年からアサヒビール、今年はキリンビールが新たに参入し、ギフトを中心に苛烈な販売競争が始まっている。
ただ、一様に“プレミアム”を名乗ってはいても、各社が持つバックグラウンドはおのおの異なる。大手4社の営業マンたちの奮闘ぶりを主眼にその違いをレポートしてみよう。