盛り上がりを見せるブラジルW杯。各国のスター選手が集まる中で、ひときわ輝きを放つのがアルゼンチンのメッシ、ポルトガルのロナウド、ブラジルのネイマールの3人だ。『誰がどう言おうと議論の余地はない。現時点で、この3人が世界最高の選手だ』とは優勝候補ブラジル代表の監督スコラーリの言葉だ。欧州の著名ジャーナリストが本人たちも含めた有力者たちの証言をもとに、プライベートも含めて3人を徹底比較した書籍が『Who is the Best? ~メッシ、ロナウド、ネイマール。最高は誰だ?』。なぜ、この3人は別格なのか? 様々な面からその秘密を見ていこう。
ネイマール、ロナウド、メッシはどのような価値観を体現しているのか? どのようなイメージを売っているのか? グローバルマーケットの中でどのような機能を提供しているのだろうか?
ネイマールは躍動感や喜び、速さの象徴である。彼は若く、優しさにあふれており、カリスマ性もそなえ、独特の髪形やタトゥーがテクノロジーや音楽、モードなどに関連付けられている。そんなイメージがInstagram、Facebook、twitterでも活用されている。
こういったネイマールの資質を2010年からサントスおよびNRJのマーケティング部門、サントス・ダ・シウヴァ一族などはスポンサーに対して売り込んできた。効果は上々のようだ。雑誌スポーツ・プロの調査によると、彼は世界の中でもマーケティングの観点で最も費用対効果が高いアスリートという結果が出た。なお、彼に次ぐのはゴルファーのローリー・マキロイ、リオネル・メッシ、ウサイン・ボルトである。
ロナウドは、あの6つに割れた腹筋をはじめとした圧倒的な肉体をもってセックスシンボルとなり、ギリシャ神話に登場する理想的な肢体を持つ神としての要素を前面に打ち出している。ロナウドは同時に競争、ハードワーク、プロフェッショナル、勝者の象徴でもある。
そして、レアル・マドリードの7番にそなわっているコミュニケーション能力も忘れてはならない。カメラの前でもロナウドは平常心でいられる。長時間のフォトセッションもメイクのやり直しも、同じ動作を何度も繰り返すことも問題なく、クリスティアーノは気持ちよくリクエストに応じ、本物の役者のようにふるまうことができる。彼にとって撮影現場は、スタジアムの延長で、そこでも彼はナンバーワンになろうとしているのだ。
そこには、彼が毎週日曜日に提供するものとはまた別のスペクタクルがある。そして彼は、靴の宣伝にもフットボールと同じように強烈な意志とプロフェッショナリズムをもって全力で取り組んでいるのだ。