盛り上がりを見せるブラジルW杯。各国のスター選手が集まる中で、ひときわ輝きを放つのがアルゼンチンのメッシ、ポルトガルのロナウド、ブラジルのネイマールの3人だ。『誰がどう言おうと議論の余地はない。現時点で、この3人が世界最高の選手だ』とは優勝候補ブラジル代表の監督スコラーリの言葉だ。欧州の著名ジャーナリストが本人たちも含めた有力者たちの証言をもとに、プライベートも含めて3人を徹底比較した書籍が『Who is the Best? ~メッシ、ロナウド、ネイマール。最高は誰だ?』。なぜ、この3人は別格なのか? 様々な面からその秘密を見ていこう。

成功の秘訣の一つがハードワークだ。「成功するためには、ほかの誰よりも努力を重ねなければならない」。2009年、ロナウドは同じ年にレアルと契約したカリム・ベンゼマに語った。だがCR7のアドバイスは、ほかならぬ自分自身に向けられたものだ。

マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン前監督によると、ロナウドは今まで見たなかで一番努力をしている選手だという。そしてロナウドの能力を買っている指導者は彼だけではない。レアル・マドリードの現監督であるカルロ・アンチェロッティも常に自らを追い込むロナウドの姿勢に驚嘆している。毎日レアルのバルデべバス練習場に一番乗りで到着し、少しでも完璧に近づくためにほぼ毎日、最後まで居残り練習を続けている。

試合後のケアも同じだ。ジムで理学療法士と会い、ハイドロセラピー(水治療法)や液体窒素サウナでの調整、あるいはプールでのトレーニングを行って、怪我を避けて肉体の状態を維持するよう努めている。

だが、これも昨日今日に始まったことではない。ロナウドは、すでにスポルティングユースアカデミーにいた10代の頃から、無許可で午前1時にジムでウェイトトレーニングをしていたのだ。

寮の自室でも腕立て伏せと腹筋運動をして、ドリブルのときには足首に重しをつけていた。

練習後に仲間がシャワーに向かったあとも彼はピッチに残り、壁に描かれた実物大のターゲットに向かってフリーキックの練習を続けていた。

フットサルチームのグレメタルで、かつてネイマールにフットサルを教えていたアルシデス・マグリ・ジュニオールにもよく似た思い出がある。

「今でも覚えているのは我々が合同練習を終えたときに、コーチングスタッフの一人であるエディがネイマールにこう言ったことだ。『おい坊主、メシはみんなと一緒に食うもんなんだぞ』。だけどあいつは言うことを聞かずに、そのまま一人だけ練習を続けていたな」

子供の頃の夢を実現するには途方もないハードワークを続け、学習・上達・前進を続けて近隣で一番になり、それから国で一番になり、やがて世界一になり、そしてそこにずっととどまらなければならない。