楽天やユニクロが踏み切った英語の社内公用語化は、ビジネスシーンでの英語の必要性を強く感じさせた。こうしたトレンドを背景に、ここしばらく減少していた外国語学校の受講者数に変化が見えている。経済産業省の調査によると、今年4~6月の新規入学者数が前年同月比で2.2%プラスに転じたのだ。
受講生の7割がビジネスマンだという英会話教室大手のベルリッツ・ジャパンマーケティング部長の岩永智佳さんは「企業活動のグローバル化に伴い、英語でのマネジメントを求められる人たちが確実に増えている。当社の受講生は20~40代、とりわけ30代後半が多く、彼らは会議などでストレスなく外国人と意思疎通できるレベルをめざして学んでいる」と話す。
楽天の社内英会話教室も受託している同社の特徴は、仕事の現場に即したレッスンにある。例えば、英語でのプレゼンテーションを数週間後にひかえていれば、資料を持ち込んでもらい、講師とのロールプレイングを繰り返し行う。そこでは、センテンスの正確さも重視し、講師は細かくチェックして間違いを正し、効果的な発表ができるようにガイドしていくという。
おそらく、こうした実践的なカリキュラムのニーズは、ますます増加するだろう。成果を挙げるには、何を身につけたいのかという明確な目標が不可欠。そのために、どれだけ成果が挙がるのかという費用対効果の考え方も大切だと指摘する岩永さんは「英語のビジネスニーズは一時的なブームではなく、今後も続く」と見ている。
(ライヴ・アート=図版作成)