政治家や官僚の無責任な態度への疑念

この点については、政治家たちの「問題先送り、とりあえず票を集めるためにはバラマキ」という態度、また、官僚たちの「予算は、いい加減な理屈を付けてでも、ともかく取れるだけ取って、自分たちの権益を確保すべし」という態度は、本当に問題が大きいと思う。

まさに、「我が亡きあとに洪水よ来たれ」なのである(フランス王ルイ15世の愛人であったポンパドゥール侯爵夫人の言葉とされている。なお、マルクスも引用)。

私は、元裁判官の法学者だから、「税金は納めるべきもの」と考えており、予防法学の書物である『我が身を守る法律知識』でも、そう記した上で、むしろ、いわゆる節税策の落とし穴について注意を喚起した。

しかし、前述のような政治家や官僚の態度を見ていると、「あなたは、もしも自分のお金だったらこういう使い方ができますか? 実をいえば、『かまわないさ(かまわないわ)、俺(私)の金じゃねえからな(ないもんね)。我が亡きあとに洪水よ来たれさ(来たれよ)』と考えているのではないですか?」と問いかけたくなり、千円未満の雑所得まですべて申告している自分をみじめに感じるのである。

筆者・瀬木比呂志さん
筆者・瀬木比呂志さん(ⓒKADOKAWA)

バラマキのツケを払わされる将来世代

国民、市民のほうも、節税策にうつつを抜かすよりも、「みずからが納めた血税はどのような使われ方をしているのか? また、その効果はきちんと検証されたのか?」をこそ監視してゆくべきではないだろうか。

膨大な赤字国債は、やがてはそのつけを国民が支払わなければならない事態になる可能性が高く、また、日本の国債は日本人(日本の金融機関等)が大半を引き受けているということは、その被害についても同様に日本人が大半を引き受ける結果となることを意味している。

無節操なバラマキを行う政治家や官僚たちは、将来世代、あなたの子や孫の世代の負担を事実上前倒ししながら消費しているに等しいのだ。このことについても、よくよくお考えいただきたいと思う。

最後に、起こりうる致命的な事態として、歴史上の多くの事例や前記の書物等を元に、国家財政がきわめて重大な危機におちいり実質的に破綻した場合の状況についてまとめておこう。おおむね最大公約数的なまとめにすぎず、私自身がこのようになると予言しているわけでは決してないが、起こりうる事態であること自体は間違いがないはずである。