血糖値はどうすれば下がるのか。健康診断を長らく受けていなかったノンフィクション作家の山田清機さんは、60代で突然糖尿病を告げられてしまう。入院先の病院で始めたのは、出された白米を半分残す「実験」だった。1年で寛解に至るまでの闘病の記録を紹介する――。
インスリン注射をしている女性
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糖尿病判定の“2倍の数値”を叩き出す

フリーランスの気楽さにかまけて、私は健康診断を長い間受けていませんでした。2024年5月、痰が絡んで近所の内科を受診したところ、1週間後に緊急の呼び出しがあり、医師にこう告げられました。

「血液検査の結果が出たら、血糖値がものすごく高い。これはもう、典型的な糖尿病ですね」

200mg/dL以上だと糖尿病型とみなされる随時血糖値が478mg/dL。6.5%以上が糖尿病型と判定されるHbA1cは、13.7%もあったのです。

病院食の白米を、半分残してみた

紹介された中核病院では、受診初日からインスリン注射を打つことになり、3日目からはメトホルミンという薬も処方されました。インスリンの分泌を促すタイプではなく、筋肉への糖の取り込みに働きかける薬です。2週間の「教育入院」が始まりました。

ところが入院中、私は強い違和感を抱くようになります。糖質制限については、本を何冊か読んで勉強していました。江部康二医師や山田悟医師の著書にある「血糖値を跳ね上げるのは糖質だけ。糖質さえ抑えれば、肉や魚、野菜や脂質をお腹いっぱい食べても、血糖値は上がらない」という理論に惹かれていたのです。

なのに病院で出される食事は、どんぶりに盛られた200グラムもの白米や、6枚切りの食パン1.5枚。「炭水化物6割、タンパク質2割、脂質2割」という伝統的なカロリー構成に基づいた献立でした。

そこで私は、密かな「実験」を始めました。出された白米を、半分残すことにしたのです。

毎食後に血糖値を自己測定してノートに記録していたので、結果は一目瞭然でした。ある日、試しに夕食の白米を全量食べてみると、就寝前の血糖値は前日の139mg/dLから258mg/dLへ、ほぼ倍に跳ね上がったのです。私の体は、糖質摂取と血糖値の上昇が連動すると教えてくれました。