「本当に見てほしい数値」は肝機能欄にない
健康診断の結果票を受け取ったら、まずγ-GTPの数値を確かめる。お酒が好きな方なら、そんな習慣があるのではないでしょうか。そして基準値内に収まっていれば、「今年も大丈夫だった」とひと安心していませんか。
正直に言って、今の結果票はかなり不親切なつくりです。互いに関連する項目が、結果票の離れた場所にバラバラに印字されています。肝臓の状態を知るうえで本当に見てほしい数値も、実は肝機能の欄にはありません。
γ-GTPは、アルコールの影響を見る指標として有名です。しかし、それだけを見て安心してはいけません。アルコールの摂取量が多くても、γ-GTPの数値が上がらない体質の人もいるからです。
日頃から酒量の多い人は、「AST」や「ALT」も見ておきましょう。ASTやALTは生活改善などで変動しやすい一方、それだけで、今までに蓄積したダメージまでは判断できません。ASTやALTは、お酒や甘い飲料を控え、体重を落とすといった脂肪肝対策によって改善しやすい数値でもあります。しかも健康診断の肝機能の項目は、ASTやALTしかない場合が多いのです。
肝臓のダメージは「血小板数」に表れる
そこで注目してほしいのが、「血小板数」の値です。
血小板数は、結果票では貧血検査と同じ欄にあります。肝臓とは無関係に見えますが、実は肝臓の状態を知るうえで欠かせない数値なのです。
肝臓にダメージが蓄積して硬くなってくると、肝臓に流れ込む門脈の血液が滞り、脾臓が腫れてきます。血小板は脾臓で壊されるため、脾臓が大きくなると壊される量が増え、数が減っていくのです。肝臓に蓄積したダメージが、血小板数の減少として表れるわけです。
私はもともと肝臓を専門にしていたので、肝臓の検査ではアルブミン、ビリルビン、血小板などの「肝予備能」がいちばん大事だと学んできました。γ-GTPが基準値内でも、血小板数まで目を通してください。
自分の年齢、AST、ALT、血小板数の4つの数値を入力すると、肝線維化のリスクを評価する「FIB-4 index」の値を自動計算してくれるウェブサイトもあります。ぜひ調べてみてください。

