アマゾンが学ぶトヨタの経営手法
【岩尾】他方で、日本のように、単一民族国家に近い自然発生的に形成された国では、もともと同質性が高いため、共同体をあえて崩すような「厳格な管理手法」は必要なかった。たとえば、日本が得意とする自動車生産においては、乗り心地、燃費、安全性といった機能が密接に関連している。各工程に一人の天才がいれば事足りる、という単純な話にはなりません。
むしろ、濃密な共同体内での各部門や従業員間の柔軟な連携とコミュニケーションが必須です。日本企業は、このような緻密な協働が必要な分野でこそ「強み」を発揮できたのです。
【内田】現在、日本人はその「強み」を自ら放棄しようとしている。
【岩尾】おっしゃるとおりです。日本企業は、アメリカを褒め称えることで、自国の優れた実践を破壊し、「悪いアメリカ流」ばかり取り入れています。しかし皮肉なことに、最近はアマゾンがトヨタ自動車の経営手法を取り入れるなど、アメリカ企業が日本企業の経営手法を抽象化して採用しているのです。
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