無能なボスへの“倍返し”が成功するのはどんなときか

上司への反乱を夢見たことはないだろうか。組織の成功にとって何が重要で、どうやってそれを達成すればよいかをよく理解しておらず、無能として退陣させられてしかるべき上司の下で働いてはいないだろうか。そのリーダーは部下に対して虐待といえるほど薄情な扱いをしてはいないだろうか。きわめてひどい状況に置かれているため実際に反乱を企てている人がいるとしたら、「反乱が実際に成功するのはどのようなときか」を考えてみるよい機会である。

われわれは実はこの問いに対する答えを知っている。それは反乱を最も成功させた人々、すなわち大航海時代の船乗りたちの行動にある。私は同僚のレイ・コエとともに、15世紀半ばから17世紀初めまでの無名の人々の日記や航海日誌を4年間かけて分析し、『Mutiny and Its Bounty』を書き上げた。