多様性こそがベルギー最大の武器

一方、北部はオランダの力を借りた。99年、アントワープを拠点にするゲルミナル・ベールショットがアヤックス(*アヤックス アムステルダム。オランダのアムステルダムに本拠地を置くサッカークラブ)と提携。

木崎伸也『サッカーと地政学 ゴールの先に世界が見える』(ワニブックス)
木崎伸也『サッカーと地政学 ゴールの先に世界が見える』(ワニブックス)

南北それぞれ独立して模索したことが、結果的にフランスとオランダという異なるサッカー文化のレシピをベルギーにもたらすことになった。

元々、ベルギーにはコンゴ系、モロッコ系、マルティニーク系ら様々なルーツを持つ移民系選手がいる。その人材に仏蘭両方の育成方法が掛け合わされ、個性豊かなタレントが生まれるようになった。

ビルモッツはこの多様性こそがベルギー最大の武器だと考えた。「いろんなプレースタイルの選手が入ることで、ベルギーは予測不可能なチームになる」

ビルモッツのもと、ベルギーは2014年W杯で団結する。グループステージを3連勝で首位通過すると、決勝トーナメント1回戦で延長戦の末にアメリカを破り、28年ぶりの準々決勝進出を決めた。惜しくも準々決勝ではアルゼンチンに0対1で惜敗したが、ベルギーの新たな可能性を全世界にアピールした。

※「*」がついた注および補足はダイジェスト作成者によるもの

コメントby SERENDIP

2030年W杯は、1930年にウルグアイで第1回大会を開催してから100周年を記念する大会となるが、「3+3カ国共催」という前代未聞の方式となる。すなわち、100周年を祝いウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイで各1試合ずつ開幕戦を行い、その後スペイン、ポルトガル、モロッコで本大会を実施するという。開催地を決定する選挙で遺恨を残さないための折衷案ということだが、FIFA会長は「分断された世界でFIFAとサッカーは人々を結びつけている」と発言している。複雑化する国際情勢を踏まえた新たなW杯のあり方を、改めて議論すべき時なのかもしれない。

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