「そんなことで?」と思うような一手で、相続放棄はできなくなる。知らずに踏んでしまう地雷と、その避け方を専門家に聞いた。

よかれと思った一手が選択肢を消していく

相続放棄という選択肢が消えるのは、たいてい、深く考えずに打ってしまった一手が原因です。たとえば、会社を経営していた父から200万円を相続した3年後、覚えのない1億円の借金を背負った方もいます。結局、相続放棄はできませんでした。

なぜでしょうか。相続放棄が認められなくなるパターンは3つあります。1つ目は、財産に手をつけてしまうこと。民法上の「処分」にあたる行為です。2つ目は、放棄を決める3カ月の期限を過ぎてしまうこと。3つ目は、放棄後に財産を隠したり使い込んだりすることです。

なかでも気をつけたいのが、1つ目の「処分」です。よかれと思ってした行動が、相続を受け入れたと判断されるのです。財産に手をつけていいかの判断軸は2つです。1つは「資産価値があるか」。もう1つは「そもそも法律上の遺産に該当するか」です。

(構成=村松まりこ)