維新や国民民主になりたいのか
にもかかわらず、中道は選挙戦の総括で、こうした根本的な敗因分析から逃げた。そして、古臭い外部有識者とやらが平成の時代から念仏のように言い続けている「左派切り」「野党第1党の保守政党化」、有り体に言えば「ぼくのかんがえたさいきょうのやとうだいいっとう」化を求める圧力にあおられ、自らをさらに弱体化させようとしている。
民主党の政権転落以降の10年あまりを見ても、こうした路線の野党が獲得できるのは、衆院でせいぜい50議席程度であることは明らかだ。実際に連立政権入りした維新や、今も自民党から連立入りの秋波を送られ続けている国民民主党のように、政権の選択肢になることを諦めて、与党の補完勢力として政策実現を図るのなら勝手だが、政権の選択肢になるべき野党第1党が取るべき路線では決してない。
この期に及んでそれが分からないというのなら、相当おめでたいと言わざるを得ない。
それでもまだ諦めてはいけない
あの衆院選から3カ月。中道は(議席が壊滅的に減ったのだから仕方ない面はあるが)野党の中核としての存在感を示せていない。最大の課題である立憲民主党や公明党との合流問題も進んでいるとは言えず、むしろ遠心力の強まりすら感じられる。
中道のあんな選挙総括を見せられれば萎える気持ちも分からなくはないが、まだ現状で諦めてはならないと思う。前述したように「目指す社会像」の近い勢力の糾合は、古臭い「非自民勢力の結集」とは異なる、政治の大きな力になり得るし、合流の結果地方組織という「地力」が強化されることも、政権の選択肢たる野党第1党の強みになるはずだ。そんな「新しい野党第1党」を成立させるため、関係者はなおその努力を諦めてはならない。
やるべきことは数多くあるが、まず急ぐべきは自分たちが掲げた基本政策が、本当に中道の「目指す社会像」に合致していたのかを、すべての分野で再検討することだ。どう考えてもベーシック・サービスをないがしろにできるわけがないし、安直に消費減税など言えるはずもない。7月に素案をまとめるという「政権ビジョン」で、それが明確に示されることは、党にとって死活問題であると言える。
だが、時間は限られている。求心力を持つべき中道が、その政治理念でもある包摂の姿勢を持てず、間違った方向性を発信し続けるなら、やがて合流の機運は絶たれ、政権の選択肢となる政党は失われてしまう。そうなれば、長い時間がかかるとしても、いま一度、中道でも立憲でも公明でもない「野党第1党の作り直し」から始めなければならない時が来るのかもしれない。

