※本稿は、澤円『思考をアップデートする全技術 うまくいく人はなぜ、考え方を柔軟に変化させられるのか?』(アスコム)の一部を再編集したものです。
日本は「マネジメント後進国」
自分が関わりを持つ人と社会へ、ハッピーを届けること――。
これがコミュニケーションの本質であり目的だとすれば、僕たちは人と関わるときに「いかに未来の話をするか」にフォーカスしなければなりません。過去の狭い価値観や成功体験にとらわれていては、決して未来の可能性は開かれないからです。
これはビジネスでもまったく同じこと。過去の話をしても、何かを生み出すことなどできません。
《いかに「未来に関するトピック」に時間を使うか》
これがまさにビジネスの要諦なのです。本稿では、ビジネスにおける羅針盤となるマネジメントの「当たり前」をアップデートしていきましょう。
まず前提として確認しておきたいのは、日本が“マネジメント後進国”だという事実。マネジメントの概念がとても悪い形で根づいてしまっています。たとえば、僕が嫌いな「管理」という言葉がそう。「管理=マネジメント」ではないし、「管理職=マネジャー」でもありません。マネジメントにはもっと広く、奥深い意味が含まれていて、「最適な日本語訳がないのでは?」と思うほどです。
では、いったいどんな意味があるのでしょうか? マネジャーの最も基本的なタスクを考えてみれば、自ずと明らかになります。
マネジメントの仕事は「判断をくだすこと」
《判断すること》
「マーケットを俯瞰して、自社のリソースを最適に配置する判断」などがこれにあたります。
リソースの最適配置において多分野の知識を持ち、より広い観点から判断することがマネジャーの仕事になるというわけです。確かにマネジャーには管理の側面もありますが、それはあくまでタスクの1つに過ぎません。マネジメントの仕事は「判断をくだす」ことが最重要事項なのです。
リソースを最適に配置するためには、チームメンバー一人ひとりの能力や適性を見極める必要が出てきます。だからマネジャーは、高度なヒアリング能力が問われることになる――のですが……。たとえば、あなたは上司にこんなことを言われたことはありませんか?
「もっとやる気を出せ!」
「モチベーションを上げていこう!」
はっきり言うと、これではマネジャー業失格。モチベーションは、他者が手を加えて上がるものではないからです。上から命令したからといって、部下のモチベーションは上がりません。
マネジャーの立場にいる人は、この事実をまず理解したほうがいいでしょう。たとえ結果的に上がったように見えても、「人間のやる気というのは、他者によっては変えられない」ことを前提に考えたほうがいいと僕は思います。

