※本稿は、長尾和宏『病気の9割は自分で治せる!』(PHP新書)の一部を再編集したものです。
脳に最も効果があるのは「小旅行」
認知症になりたくなかったら、進行させたくなかったら、とにかく歩いてくださいと、『歩く人はボケない』(PHP新書、2025年)に書きました。特に、朝に日光を浴びながら歩くことでメラトニンの分泌を促し、よい眠りに就くことが大事です。
高齢になればなるほど、人は歩かなくなります。自分でやるべき認知症対策は、糖尿病と基本的に同じです。食事管理とこまめに歩くなどの運動をすることが何よりも大切です。毎日外出をすれば、「脳トレドリル」をしなくても、さまざまな刺激を受けて、脳も活発に動きます。
いちばん効果があるのは、意外かもしれませんが、「小旅行」です。日帰りでも一泊でも、どんどんいろいろなところに出かけてみるととてもいい。
近場でもいいのです。温泉なら最高ですね。非日常の場所に移動することで、自然に歩くし、脳も刺激されます。私は勝手に「旅行療法」と呼んでいます。美しい景色や家族との時間は、記憶障害があっても「感情の記憶」として心に残るでしょう。
旅行の際はGPSや連絡先カードも必須
そういう幸福感は、生きる意欲につながり元気が出ます。なるべく無理のないスケジュールにしましょう。訪問する場所が多くなりすぎると、どこに行ったのか思い出せなくなるリスクが増えます。現地での移動は短時間で、休憩を多めにとることも大事です。
徘徊や混乱への備えも忘れないようにします。GPS機器や連絡先カードの携帯、同行者がサポートしやすい備えをしてください。過去に訪れたことのある、思い出の場所を選ぶのもおすすめです。回想を促し、安心感をもたらしますから、気分が向上すると思います。週の前半は空いている宿が多いです。
温泉で温まることが温熱療法にもなります。40~42度ぐらいの温泉で温まれば、ヒート・ショック・プロテイン(HSP)というタンパク質が作られて、免疫機能が上がります。いいことずくめなのです。小旅行は、認知症にとってとても良い養生法だと思います。できれば毎月行きましょう。


