デキる・デキない差は「全体が見えているかどうか」

若い読者の頭のなかには、自分の会社や仕事を振り返って、素晴らしいマネジャーだと思える上司もいれば、どうしようもないマネジャーも浮かんでいることでしょう。そんなとき、自分の立場から見た彼らを疑うことに加えて、自分がこれからどんなマネジャーになっていくのかを思い描いてほしいのです。

僕も若いころから、いろいろな上司を見てきました。そのとき、何を「デキる」「デキない」の判断基準にしていたか。それは……。

《全体が見えているかどうか》

これができていないマネジャーが思いの外たくさんいます。

チームの今の状態や向かう先といった全体像が見えていないから、細かいミスばかりが気になり、すぐに「誰がしくじったか」の犯人捜しをして保身を図るわけです。

さらに最悪なのは、部下と競争するマネジャー。絶対にマネジャーになってはダメなタイプです。部下の能力を認めなかったり嫉妬したりするマネジャーは、マネジメントに100%向いていません。相手を認めたくないがために、必死に競争しようとするからです。

マネジャーとチームメンバーの競争はNG

マネジャーになるとプレイヤーとして働くことはほぼできないので、プレイヤーとしての体験が自身のなかから抜けなければストレスが溜まっていきます。加えて、本人にマネジャーの資質がなければ、すぐに「昔の自分たちは……」などと言い出してしまうことも。

過去の成功体験のなかで生きている人間には、早いうちに終わりがやってきます。過去は過去ゆえに、それ以上の成功体験が増えないからです。

もちろん、マネジャーがプレイヤーの気持ちを理解することは必要かもしれません。プレイヤーがどうすれば快適なのかを考えるとき、プレイヤーだったころの経験を活かすことができるでしょう。

ミーティングをする上司と部下
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

その意味でプレイヤー気質を持っているのはいいのですが、それを言動で表したらダメということ。ましてや、前面に押し出して部下と対峙してはいけません。サポートのためにプレイヤーの一面を出すのはありですが、対立軸で出すのは最悪な行為なのです。

マネジャーがチームメンバーと競争して成立するチームなんて、滅多にありません。