一体何を言いたいのか

支持層の再構築ももちろんだが、中道は今後「立憲民主党と公明党にそれぞれ残っている参院議員や地方議員とどう合流するか」という大きな課題を抱えている。この総括の記述を、立憲の参院議員や地方議員はどう読むだろう。仮にこれらの指摘に多少なりとも耳を傾けるものがあったとしても、こんな「切り捨て」感あふれる表現の総括は、3党合流の足枷にしかならないだろう。

どうやら総括は「若年層や現役世代の支持を得るには、リベラル色を消すべきだ」との立場に立っているようだ。「若い世代ほど保守系を支持する」との表現もあった。だが、その同じ総括には「中道は18歳~29歳で支持を伸ばした」との記述もある。

一体何を言いたいのか、わけが分からない。

総括には「日本において、政治システムの変革を望む声は強いものの、その対立軸は、イデオロギーというより経済格差など現実に即したものに変容している」という指摘があった。全く同感である。

であればこそ立憲民主党は、政権の選択肢たる野党第1党として「自助重視で公助を軽視する自己責任社会」に向かってきた自民党政治に対し「公助」の重要性を説き「支え合いの社会」をうたってきた。与党を離脱してきた公明党も、格差是正には積極的な姿勢だった。

国会議事堂
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中道が惨敗した「最大の敗因」

公明党の政権離脱(それに代わる日本維新の会の政権入り)と、立憲と公明の合流による中道の結党は、与野党の「目指す社会像」のねじれを一定程度解消し、現実の政界における対立軸を分かりやすく整理する効果があった。筆者は今も、そのことは評価している。

中道が惨敗したのは、せっかく得られたこの対立軸を明確にして自民党と戦わなかったことだ。中道の綱領にうたわれた「持続的な経済成長への政策転換」「選択肢と可能性を広げる包摂社会の実現」という「目指す社会像」は、選挙戦から全く見えてこなかった。それどころか、こうした社会像と矛盾する「食料品の消費税率を恒久的にゼロ」を大きく打ち出した。これは致命的な敗因の一つだったと思う(この件については、2月12日公開「『高市人気が凄すぎたから』でも『公明に乗っ取られたから』でもない…旧立憲議員が『ほぼ全滅』した本当の理由」に記しているので、ここでは繰り返さない)。