──上期をふり返り、年末までの後半戦をどう戦うのか。
【仙波】上期はシェアアップできた。重点ブランドである高級ビールの「ザ・プレミアム・モルツ」、新ジャンルの「金麦」と「金麦オフ」、さらにノンアルコールの「オールフリー」を徹底的に売っていくのが基本戦略。うまくいっているので、後半も同じ戦い方でいく。
──伸びているジャンルである高級ビールと第3のビールの「リキュール(発泡性)(1)」とでNo.1をもっているのが大きいのか。
【仙波】そうだ。プレモルと金麦を両輪とする戦略ができたのは2008年以降。それ以前はコアブランドはなく、投資も分散していた。いまようやくよい形ができたところ。私は11年にビール事業に戻ってきて、最初の決断がプレモルをリニューアルすることだった。コアユーザーが仮に1割逃げても、入ってくるほうが多かったらいいと考えた。リニューアル発売は昨春だが、数字が示すとおり成功した。
──大手流通の共同開発商品やPBが増えている。ビール業界は流通の軍門に下ったのか。
【仙波】NB(ナショナルブランド)を売ることが基本。NBを売ってナンボの世界であることに変わりはない。また、セブン&アイHDに供給している商品をPBだと考えてはいない。あくまで、共同開発商品である。
──営業マンはどうあるべきだと考えるか。
【仙波】商品のブランディングにせよ、マーケティング部門だけが担っているわけではない。消費者との最終接点である営業の役割は大きい。スーパーなどの店頭に対しても、品質を含めて正しく語れる営業マンでなければならない。他社は、やはりビールメーカーだ。ビール類の構成比は高く、会社組織は営業部や生産部、マーケ部といった機能別となる。