安倍晋三首相が長期政権に意欲を見せている。通常国会終了後の記者会見で「3年間はデフレ脱却に集中する」と、その間の政権運営の決意を示したのだ。
安倍内閣の支持率は6割前後を堅持。だらしない野党のおかげで、7月21日の参院選は自民党が圧勝、与党が参院で過半数を回復する見通しだ。余裕綽々の首相は最近、周辺に「7月の参院選が終わったら、3年間選挙はしない。デフレ脱却など、やるべきことをやるつもりだ。次の選挙は2016年。衆参ダブル選挙になるだろう」と漏らしているという。
3年後に自分の手で衆参ダブル選挙を行うというのだ。永田町では「首相はダブル選挙でも圧勝し、その勢いで悲願の憲法改正を打ち出してくるのでは」と見られており、その自信のほどが窺える。
確かに、衆参で自公が過半数を占め、“ネジレ”が解消されれば政権はさらに安定。3年間は選挙はなく政権交代もない。
「懸念材料としては安倍氏の自民党総裁としての任期が切れる15年10月の自民党総裁選があるが、今のところ有力対抗馬はおらず、自民党内では、安倍氏が再選されると見られています」(全国紙・政治部長OB)
昨年の総裁選で安倍氏と争った最大のライバルの石破茂幹事長は「今後3年間は安倍政権を支えねばならない」と公言しており、周辺にも「次(の総裁選出馬)にこだわらない」と漏らしている。
「石破氏は次の総裁選には出馬しないだろう。となると、潰瘍性大腸炎の持病の悪化で安倍氏が倒れない限り政権は続く、という見方が永田町で拡大中」(同前)
だが政界は一寸先は闇。そもそも安倍氏は前回の政権担当時、閣僚らにスキャンダルが相次ぎ、国会対策等で心労が重なった揚げ句参院選で大敗、持病の悪化で退陣に追い込まれている。
「それだけに安倍氏は閣僚や自民党幹部のスキャンダルを非常に恐れている。6月27日発売の週刊新潮が、自民党の佐田玄一郎衆院議運委員長が女子大生に1回4万円のお小遣いを払って買春していたことをすっぱ抜いたが、安倍首相は“気が緩んでいる”と激怒。佐田氏は前回の第1次安倍内閣でも行革担当相として初入閣したものの、事務所費の架空計上が発覚して退陣した“前科”があるだけに首相はカンカンだった」(官邸関係者)
果たして師匠の小泉純一郎元首相のような長期政権になるかどうか。