今や日本の輸出相手国シェアの約2割を占める中国。政治的には緊張関係が続くが、この国での成功が利益に直結するのも事実だ。
中国でバカ売れ製品の共通点とは
かつて「世界の工場」と呼ばれた中国は、いまや「世界のマーケット」へと華麗な変身を遂げた。そして、これは日本人の多くが正確に認識していないことだと思うが、日本は中国の旺盛なバイイングパワーの恩恵を、世界で最も多く享受している国のひとつである。
JETRO(ジェトロ)が発表している「日本の貿易相手国TOP50」(2011年)を見ると、輸出相手国のベスト5は以下の通り。
1位 中国
2位 アメリカ
3位 韓国
4位 台湾
5位 香港
日本の輸出総額に占める中国のシェアは19.7%であり(2位のアメリカは15.3%)、いまや日本にとって中国は最大の「お客様」なのだ。
しかし、このお客様に商品を買っていただくのはなかなか難しいことである。なぜなら、中国は安くモノを作ることにかけては世界一の国だからだ。値段で勝負しようとしても勝ち目は薄い。
その一方で、中国人が「日本製」に対する強い憧れを持っているのも事実だ。日本人を嫌う中国人も多いが、同時に日本製の品質と安全性の高さに絶大な信頼を寄せる中国人もまた多いのである。
品質、安全性の高さを強くアピールしつつ、どのような価格設定をしていくのが有効なのだろうか。中国でバカ売れしている日本製には、このふたつのポイントをうまく押さえたものが多い。以下、中国における売れ筋日本製品をご紹介しながら、その秘密を探っていこう。