競争が激しい中学受験で、わが子を難関校に合格させる親は自宅でどう接しているのか。四谷大塚お茶の水校舎長の蛭田栄治さんにどんなサポートや声かけをすればいいのか指南してもらった――。(後編/全2回)

※本稿は、『プレジデントFamily2025春号』の一部を再編集したものです。

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成果につながる家庭学習スケジュール

勉強スケジュールのポイントは、「無理なく」「具体的に」です。「来週の授業までにちゃんとやっておきなさい」などと言われても、なかなか子供は取りかかれない。それよりは、「毎朝、計算トレーニングを10問やろう」とか、「1週間で漢字を20個覚えるなら、1日三つ覚えればいいね」などと、やる内容を具体的に示してやってください。

『プレジデントFamily2025春号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2025春号』(プレジデント社)

親がスケジュールを立てると、すべてをやらせようとしがちですが、最初から完璧は求めないこと。早いうちから過度な負荷をかけて、勉強にネガティブなイメージをつけてしまうのはNG。前向きな気持ちで学ぶほうが学習効果も高いはずです。秋以降になると中学受験のカリキュラムは学習量がグンと増えていきます。子供は半年でとても成長します。集中力も上がるので、スピードも上がってできる量も増えていきます。

中学受験は短距離走ではなく、長距離の勝負。春のうちからがんばりすぎるのではなく、お子さんのペースで学習習慣をつけることを大切にしてほしいと思います。「がんばれば早く終わらせられる!」と子供が思うくらいがいいと思います。