子供を大学卒業させるまでにかかる教育費はいったいいくらなのか。中高生2児の母でもあるFPの西山美紀さんは「小・中・高・大がオール公立なら学費が計約1000万円で、オール私立なら約3000万円が目安。加えて、中学受験のために3年間塾に通えば約300万円超、大学で地方から上京した場合は仕送り費が4年間で約383万円かかっており、親の負担はかなり重い」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily2025春号』の一部を再編集したものです。

オール公立で約1000万円、オール私立で約3000万円

首都圏に住むNさんは、息子が通う私立中学から、「年10万円の学費の値上げ」についての知らせを受け取りがく然としたという。

「突然でしたが、支払うしかありません。物価高や人件費の高騰で仕方ないのかもしれませんが、家計は厳しいです」(Nさん)

東京都内の名門進学校、麻布や桜蔭でも10万円ほど値上げされたように、学費を値上げする首都圏の私立校は増えている。

東京都が都内の私立中学を対象に、2025年度の初年度(入学年度)納付金の状況を調べたところ、181の対象校のうち、77校(42.5%)が値上げをしている。

学費の値上げは、私立中高だけではない。東京大学が、25年度の学部入学生から授業料を20%値上げして年額64万2960円になることが大きな話題になった。国立大学の授業料は標準額が53万5800円と決められており、最大20%を各大学で上乗せできる。東大は20年間据え置きだったが、ここにきて上限いっぱいの値上げとなった。

「国立大学の授業料値上げは、少し前から始まっていました。東京工業大学(現・東京科学大学)と東京藝術大学は19年度から、千葉大学と一橋大学、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)は20年度から、東京農工大学は24年度から授業料を引き上げています。今後、ほかの国立大学でも授業料値上げの追随が起こるでしょうね」

そう話すのは、自身も高校生と中学生の子供を持つファイナンシャルプランナーの西山美紀さんだ。

「小中高大の16年間にかかる教育費総額ですが、ここ数年でじわじわと上がっています。オール公立で約1000万円、オール私立で約3000万円と考えておくとよいでしょう」(西山さん、以下同)

各種統計を基に計算すると、「(小中高大)オール公立」1024.2万円、「大学だけ私立」文系1232.8万円、理系1364.6万円、「中学から私立」文系1666.4万円、理系1798.2万円、「オール私立」文系2562.1万円、理系2693.9万円だという(※)

※公立小201.7万円、私立小1097.4万円、公立中162.6万円、私立中467.2万円、公立高178.7万円、私立高307.7万円、国公立大481.2万円、私立大文系689.8万円、私立大理系821.6万円
※公立、私立とも小学校、中学校、高校の数字は文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」より(詳細内訳は次ページの表を参照)
※国公立、私立とも大学の数字は日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」より
※入学費用(受験費用、学校納付金、入学しなかった学校への納付金)、学校教育費(授業料、通学費、教科書・教材費、学用品の購入費、施設設備費など)、家庭教育費(学習塾・家庭教師の月謝、通信教育費、参考書・問題集の購入費、習い事の費用など)の総計

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