今の大学生は授業が忙しくバイトであまり稼げない

「ある家庭では、子供が高3になって薬学部に関心を持ったようで、6年分の私立大学の費用が足りないと焦っていました。また、自宅通学を想定していたのに、たまたま受験した地方の大学が気に入って急きょ1人暮らしになったという話も聞きます。

子供がアルバイトをして費用の一部をカバーしてほしいと考える人もいますが、それは意外と難しいと考えてください。実は私自身、今、2回目の大学生なのですが、リポート提出課題が小まめにあり、多くがオンライン提出で1秒でも遅れるわけにはいきません。大学や学部にもよりますが、思った以上にハード。自由な時間がたっぷりあってアルバイトでたくさん稼ぐ、という親世代の学生生活とは変わっています。1人暮らしの場合、ある程度の仕送り額が必要でしょう。教育資金は多めに用意して、余れば老後資金に回すプランを立てたほうがいいと思います」

西山さんは、学校外活動費のかけすぎにも注意を喚起する。

「小中学生時代に、塾や習い事代にお金をかけすぎると、その後の教育費が不足しがちです。大学までの長い目で見て、家庭の教育方針と本人の希望で取捨選択することが大事です」

西山家では、下の子が中学受験をした際は、塾代をかなり抑えることを心がけたそうだ。

「習い事と両立したかったという理由もありますが、受験直前期以外は、季節講習をほぼ受けませんでした。季節講習や特別講習は長時間に及ぶものもあり、子供によっては行くだけで疲れてしまって、帰宅後、宿題や復習ができず、費用をかけたはずなのに消化不良になることも。受けるべきかどうか、そのつど子供と考えることが大切だと思います」

また、西山家では、留学ではなく、ホームステイを受け入れて、子供たちの国際交流活動とした。お金のプロならではの工夫が見える。

「昨年、アメリカから高校生を1カ月半、受け入れました。円安のときは、海外に行くには費用がかかりますが、受け入れは食費とお出かけするときの費用くらい。子供たちは、学校や部活など普段の生活をしながら、自宅で英語のコミュニケーションの機会を得られますし、家族みんなでいい経験になりました」