人口の都市集中によりクマの生息範囲が拡大 

昨年11月末、秋田市内のスーパーにクマが侵入し、店員1人がけがをする事故が起きた。クマは店内に居座り、2日がかりで捕獲され、駆除された。

近年、このように人の住む場所で人がクマに襲われる被害が増えている。2023年度に全国で被害に遭った人は過去最悪の219人にのぼる。24年度は8月末までに、前年度を上回るペースでクマの出没が確認されている。

庭を徘徊するクマ
写真=iStock.com/AwakenedEye
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その背景として、40〜50年という長い年月をかけて、クマの分布している範囲が広がり、人の住んでいる場所に徐々に近づいてきていることが挙げられる。その理由の一つは、長年にわたりクマを保護する政策が採られてきたことだ。バブル期にゴルフ場やスキー場をつくるために山林開発が盛んに行われ、クマの分布域が孤立、縮小し、西日本を中心に絶滅が危惧される地域も出てきた。そこで1999年に鳥獣保護法が改正され、各都道府県でクマの捕獲上限数を定め、獲りすぎないようにする政策が採られてきた。それがある程度成功した(※1)といえる。