2025年1月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。政治・経済部門の第5位は――。
政治・経済部門では、米の価格高騰の原因を深掘りしたキヤノングローバル戦略研究所研究主幹・山下一仁さんの記事が1位に。山下さんは政府が備蓄米を放出しても「米の価格は下がらない」と強調しています。2位は、かつて「第2の夕張市」と呼ばれた高知県須崎市のリポート。人気キャラクター「しんじょう君」を活用して財政危機から立ち直らせたキーマンに、ライターの甲斐イアンさんが迫る長編記事です。3位には、解剖学者・養老孟司さんが「田中角栄のせいで日本が貧しくなった」と指摘する記事がランクイン。長引く景気低迷の原因を養老さんの視点で深掘りした記事に注目が集まりました。1~5位のランキングは以下の通りです。
▼第1位 だからコメの値段が下がらない、下げるつもりもない…JA農協のために備蓄米を利用する農水省の呆れた実態
▼第2位 ふるさと納税が200万円→34億円に…「第2の夕張」と呼ばれた金欠の町を元フリーターのヨソ者が復活させるまで
▼第3位 日本人がここまで貧乏になったのは「田中角栄のせい」である…養老孟司が見抜いた“不景気の根本原因”
▼第4位 ソ連崩壊前にそっくり…「呑まなきゃやってられない」酒におぼれるロシア人を大量に生み出したプーチンの限界
▼第5位 「マイナンバーカードには有効期限がある」トラブル続きのマイナ保険証を政府が国民に押し付ける本当の狙い
「マイナ保険証のほうが便利」でなければ利用者は増えない
昨年12月2日をもって現行の健康保険証の新規発行が停止された。マイナンバーカードを使った「マイナ保険証」に一本化するとの政府方針だったが、現実にはマイナ保険証への切り替えは遅々として進んでいない。12月2日から8日まで1週間のマイナ保険証利用が急増したと福岡資麿厚労相は記者会見で胸を張っていたが、11月の18.52%の利用率が28.29%に上がったというだけで、まだ3割に満たない。大臣は「各種媒体を通じた広報を継続的に実施した一定の効果」だとしていたが、確かに、12月2日をもって現行の保険証は使えなくなると勘違いしていた人も少なくなく、この3割が定着するかどうかは微妙だ。
というのも、現行の保険証も期限が来ない限り1年間は使うことができる。また、期限が到来した場合でも、新たに発行される「資格確認書」が送られてくるので、引き続きマイナ保険証がなくても保険受診が可能だ。つまり、マイナ保険証の方が便利だ、となればこの1年の間に利用する国民が増えるだろうが、そうでなければ現行の保険証や資格確認書を使うことになるだろう。当然といえば、当然の国民の行動である。
7割の医療機関でマイナ保険証のトラブルが発生
実際、マイナ保険証はトラブル続きで評判が悪い。2024年10月時点でマイナンバーカードを保有している人は9449万人と全人口の75.7%で、そのうち8割に当たる7747万人がマイナ保険証に登録している。にもかかわらず、利用率が3割に届かないのだ。多くの人が病院や薬局を受診する際、現行の保険証などを窓口に提示している。
全国保険医団体連合会の調査(調査対象1万2735医療機関)によると、2024年5月以降、マイナ保険証のオンライン資格確認でのトラブルや不具合が「あった」という回答は8929機関。「なかった」の3128機関を大きく上回り70.1%に達した。資格情報が無効だったり、カードリーダーの接続不良や名前や住所の間違いなどさまざまなトラブルが起きている。結局、「その日に持ち合わせていた健康保険証で資格確認をした」機関が6967にのぼった。
同連合会が前回行った2023年10月以降のトラブルの調査(対象5188医療機関)では、「あった」が59.8%だったといい、10%ポイントも上昇している。利用者が増えた分、トラブルも増えているということだろう。

