2025年1月に、プレジデントオンラインで反響の大きかった人気記事ベスト5をお送りします。ビジネス部門の第4位は――。
ビジネス部門では、USスチール買収を目指す日本製鉄、中居正広氏の女性トラブルで揺れるフジテレビが注目を集めました。1位は、フリーライター・青葉やまとさんのリポート。USスチールの買収を阻止しようとするアメリカ政府に、現地従業員が「日本製鉄に買収してほしい」と声をあげる様子を紹介しています。元テレビ東京社員・桜美林大学教授の田淵俊彦さんによる、スポンサー離れが続くフジテレビ問題の解説記事が2位に。田淵さんは「スポンサー離れは序章。国民の共有財産である『電波』が危機に晒されている」と指摘しています。3位は、日本製鉄や日本批判を繰り返した米鉄鋼大手クリーブランド・クリフス社のローレンソ・ゴンサルベスCEOの狙いを読み解く青葉さんのリポートが選ばれました。1~5位のランキングは以下の通りです。
▼第1位 あんなに好条件だったのに…「日本製鉄に買収してほしい」USスチールの従業員たちがそう切望する本当の理由
▼第2位 ホリエモンが救世主に見えてくる…「ACジャパンより外資が怖い」フジテレビがこれからたどるこれからたどる“最悪のシナリオ”
▼第3位 やっぱり日本製鉄に買収してほしい…USスチール従業員たちが「ライバル会社の横取り案」に“ドン引き”のワケ
▼第4位 これぞ「ものづくり大国日本」の再来だ…トヨタでも日産でもホンダでもない、世界の注目を集める自動車メーカー
▼第5位 6億円の損失を出しても、客は戻ってくると信じていた…スタバが「7100店舗を一斉休業」した時に看板に書いた内容
CES2025の最重要テーマは断然「AI」だった
今年も1月7日から10日(現地時間)にかけ、米ラスベガスでCES(Consumer Electronics Show)が開催された。世界最大のテクノロジー見本市であるCESは単なる新製品の発表にとどまらず、テクノロジーの新たな方向性が示される貴重な機会だ。
最初に、本題とは少々離れるが、「CES」の呼び方について書いておきたい。というのも、日本では「セス」と呼ばれるケースがきわめて多いからだ。アメリカでは「セス」と呼ぶ人はおらず、アルファベットそのまま「シーイーエス」と発音する。「セス」は明らかに和製英語なので、筆者個人としては「シーイーエス」にこだわりたいと考えている。
今回のCESでは、人工知能(AI)がテクノロジー界の最も重要なテーマになったことが如実に表れていた。実際、約4500社・団体の約4分の1がAIに関する出展を行っていた。
AI産業の覇権を握るメガテック企業
例えばAI用の半導体やセンサーといった製品、AI活用に不可欠なクラウドやサイバーセキュリティサービス、さらにはAIの進化につながるエッジコンピューティングなどのテクノロジーや、AIを組み込んだ一般消費者向けプロダクトまで、実に多彩な展示が見られた。開幕に先立ち開かれる「テックトレンドセッション」においても、2025年の注目キーワードとしてAIを中心に据えた「デジタル共存(Digital Coexistence)」が掲げられ、AIが社会や生活の身近なところに入り込んでいくイメージが明確に示されていた。
この背景には、AIの基盤技術の外部提供が広がっている状況がある。ただしこれを別の視点で見ると、基盤となるプラットフォームの提供元はマイクロソフト/オープンAIやグーグル、メタ、アマゾン/アンソロピックといった巨大テック企業に偏っている。
しかも、これらトップランナーが提供するAIは、開発スピードでも完成度でも、またバックボーンとなるデータ量や採用するソリューションの数でも群を抜いているため、他の企業にとってはそれらを利用するという選択肢しかない。そんな雰囲気が流れていた中で、1月後半に中国のディープシーク(DeepSeek)がオープンAIの水準を凌駕するような開発をより短期間に低コストで実現したサービスを提供したことへの衝撃は大きかったわけだ。同社については本稿でも関連箇所で触れておきたい。


