日本を代表する豪華客船、日本郵船の「飛鳥II」に乗って、船旅をする機会があった。郵船クルーズの方から、お誘いをいただいたのである。
横浜港から乗って、サイパンまでの3日半の船旅。船中で、2回講演をした。仕事のための乗船とはいいながら、大いに満喫した。
「飛鳥II」の船旅というと、その豪華なことで有名である。一流ホテル並みの設備とサービス。さまざまなエンターテインメント。当然旅費も高価となり、100日間以上にわたる「世界一周クルーズ」だと、最上級の部屋は、料金が1人2000万円を超える。
夫婦2人で参加すれば、数千万円。1日あたり、数十万円の出費。それでも、「世界一周クルーズ」を発表すると、1番高いスイートの部屋から、売れていくのだという。
最高の部屋で世界一周をするというのは、誰にでも果たせるような夢ではない。そこまで行かなくても、より短いクルーズでいいから、あるいはもっと普通の部屋でいいから、乗ってみたいという人は多い。実際に船旅を経験して、その根強い人気の秘密がわかったような気がした。
飛鳥IIの船旅の極意は、その「パッケージ」にある。部屋は、バルコニー付きのスイートルームなど、豪華な、趣味のよいもの。しかし、似たようなホテルの部屋が、地上にないわけではない。
食事は、厳選された素材を使っていて、美味しい。しかも、長い船旅で、毎日食べても飽きないように、工夫されている。それでも、食事だけをとれば、飛鳥IIに乗るような人ならば、すでに経験しているだろう。