政治資金規正法違反で元秘書3人のうち2人の有罪が確定した「生活の党」の小沢一郎代表の“身辺整理”が進行中だ。
元秘書裁判ではゼネコンから小沢氏側への裏金も認定されたが、大久保隆規、池田智光元秘書は上告せず刑が確定。新党大地に移った元秘書の石川知裕衆院議員だけが最高裁に上告している。
小沢氏は二審判決について「極めて遺憾」とコメント。だが昨年末の衆院選で議員の大半が落選し小沢氏は小政党の党首に転落、新聞で小沢氏のことが話題になることもほとんどなくなり、かつての剛腕ぶりが嘘のような落魄ぶりだ。
その小沢氏が、自らの政治資金管理団体「陸山会」の事務所である東京・赤坂の超高級マンション「チュリス赤坂」701号室を売りに出した。
小沢氏は1995年に購入以来、長年ここを活動の拠点にしてきた。小沢系政治団体のほとんどがこの部屋に事務所を置き、元秘書3人もここで働いていた。政治家と秘密の会合や親しい政治記者との懇談も行われた。東京地検特捜部のガサ入れを受けたことがあるし、小沢氏が有名弁護士ら弁護団と裁判対策を練ってきたのもこの部屋だ。
部屋の広さは117平方メートル。購入価格は約1億7000万円。購入費用は陸山会の政治資金だ。15階建てのマンションで築30年と老朽化しているが、国会議事堂から徒歩10分足らずという好立地のため資産価値は高く、売り出し価格は1億2000万円弱程度とみられる。
石川議員も、自身の有料メールマガジンでチュリス売却について触れている。
「『チュリス赤坂』が売りに出されているという(中略)赤坂の事務所機能を議員会館に移していると聞いた。私にお金があれば『小沢一郎記念館』をそこに作りたいがそうもいかない(中略)歴史を創ってきた舞台がなくなるのは寂しい……」
小沢氏側は、かつて10億円超の不動産を所有していた。だが昨年11月に「元赤坂タワーズ」(購入価格約1億5000万円)を売却するなど、すでに5つのマンションを売却・譲渡済みだ。また、釣り好きの小沢氏が「老後に住みたい」と私費で購入した別荘(沖縄県宜野座村)が、今年4月に完成する。
小沢氏は今も「二大政党制をつくるために頑張る」と周囲に決意を語っているが、政界引退の準備に入ったように見えるのは気のせいだろうか。