今、日本人の通念からすれば、円高すなわち悪である。が、本当にそうなのか? 円安容認派は2006年を持ち出し、あの頃は輸出主導で景気が回復していたではないか、円安に振れてGDPが増加し、株も上がったと指摘する。一方、円高局面では、08年以降が典型とされるが、経済成長率も下がり失業率も上がった。であれば、日本経済全体として正しいのは円安だろう、という論理展開となる。
サブプライム危機が白日のもとに晒される以前の05年から07年にかけて、確かに輸出が日本経済の牽引役となっていたことを否定するつもりはない。さはさりながら、円高であれば常に景気が下向きで株安となり、日本経済全体が脆弱になると言い切ることもできまい。
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