※本稿は、マイナビ健康経営のYouTubeチャンネル「Bring.」の動画「815社・ビジネスパーソン17.3万人のAI分析でわかった『トップ5%社員』の働き方」の内容を抜粋し、再編集したものです。
「トップ5%社員」の働き方の共通点5つ
【澤円】越川さんが代表を務めるクロスリバーでは、これまで815社、約17万3000人のビジネスパーソンを対象とした調査から、「トップ5%社員」の働き方の共通点を導き出したそうですね。
【越川慎司】わたしたちは、トップ5%社員に見られる働き方の特徴を「5原則」としてまとめました。
①「目的」のことだけを考える
②「弱み」を見せる
③「挑戦」を「実践」だと捉える
④「意識変革」はしない
⑤常に「ギャップ」から考える
パワポを無駄に綺麗に仕上げない
順に解説しましょう。まず「①『目的』のことだけを考える」というものです。あらゆるタスクには必ず目的が存在します。商談に必要な資料をつくるタスクなら、お客様に「イエス」といわせることがその目的です。
ところが、多くの人が肝心な目的を見失いがちなのです。資料をつくること自体が目的にすり替わってしまい、PowerPointの機能をたくさん使って綺麗な資料をつくろうとするようなことです。お客様に「イエス」といわせられるなら綺麗な資料である必要はないのに、その目的を見失っているがために、時間と労力をかけて的外れの資料をつくってしまうようなケースはよく見られます。
【澤円】いわゆる「手段の目的化」というものですね。「①『目的』のことだけを考える」については、ご著書『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)に書かれていた「ビッグロック」の意識も関係するように思います。
【越川慎司】ビッグロックは、タスクの優先順位をつけるメソッドです。必要ないにもかかわらず綺麗な資料をつくる例のように、優先順位を考えないで目の前の仕事に注力すると、優先順位が高い仕事がおろそかになりかねません。
そうならないよう、1週間のはじまりに、その週に必ずやらなければならない「大きな岩」にあたるタスクをふたつ挙げるのです。そのビッグロックを意識すると、ビッグロック以外のタスクの優先順位が相対的に下がりますから、確実にビッグロックをこなせるという仕組みです。