転職活動を成功させるにはどうすればいいのか。「退職学」研究家の佐野創太さんは「転職エージェントをうまく活用できるといい。特に大手のエージェントは1人が100人以上の求職者を担当するので、特別待遇を受けるために自由記入欄を工夫してほしい」という――。

※本稿は、佐野創太『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

100名の求職者を抱える転職エージェントの「本音」

忙しいあなたに代わってピッタリの求人を運び、履歴書・職務経歴書を添削し、面接の対策を立ててくれる。転職エージェントは、あなたの転職の強い味方です。

コンピューターと履歴書
写真=iStock.com/years
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しかし、「転職エージェントが冷たい」という相談がキャリア支援の現場に届いていることをご存じでしょうか? 「面談があっさりしていて、相談できない」「大量に求人が送られてくるだけで、何のサポートもない」と、ガッカリしている人がいるのです。

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか? おかしいですよね。

安心してください。「転職エージェントが冷たい原因」は、あなたにあるわけではありません。転職エージェントが抱える求職者が多すぎるのです。

大手の転職エージェントほど、一人が担当する転職希望者が多く、その数は100人を超えるケースもあります。「そんなに多かったら、全員を同じ熱量で相手にするのなんて無理じゃない?」と思われるかもしれません。その通りです。どんな転職エージェントでも「優先順位」をつけます。厳しい言い方をすれば「選別」です。

では、転職エージェントはどんな人を優先するのか? その基準の一つが、本気で転職する意思です。

もしかして、「転職エージェントは、とりあえず登録」と、考えていませんか?

確かに、そう促す情報をよく目にします。転職者のほとんどはそう考えているはずです。

まずは「本気で転職します」と宣言する

ちょっと待ってください。転職エージェントも人間であり、ボランティアではなくビジネスとして活動しています。「転職する意思の固い人」と「転職も考えていますよ」とボンヤリした人がいたら、どちらを熱心に支援したくなるかは火を見るよりも明らかです。

それに、私は転職エージェントを育成する立場にあるので、転職エージェントからよくこんな悩みをいただきます。「一緒に職務経歴書を書き、面接練習の相手をし、ようやく内定が出たところで『やっぱり現職に残ります』と言われると、徒労感がすごい。顧客企業にも怒られて散々ですよ……」。

この不安を先に払拭してあげるだけで、転職エージェントはあなたの期待通りの動きを見せるようになります。

「転職するかどうか、迷われていてもいいので、ご相談ください」と話す転職エージェントもいます。実際に手厚く相談に乗ってくれる人もいます。

ただし残念ながら、普通に転職エージェントに登録するだけでキャリア相談に乗り、最高の求人を運んできてくれて、面接の対策支援もしてくれる天使のようなエージェントと出会える可能性はほぼゼロです。「宝くじで1億円稼ぐ人生戦略」くらいの夢物語だと考えてください。

転職エージェントに「本気で転職します」と宣言した人から、ラクに結果を出せる転職活動が始まります。二人分以上の力で進められるのですから。