採用面接で志望動機を聞かれたとき、どう答えればいいのか。「退職学」の研究家の佐野創太さんは「志望動機には書き方の方程式がある。それに沿って書けば、『私の本当の思い』などに思い悩む必要はない」という――。

※本稿は、佐野創太『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

彼のオフィスに座って、ラップトップを見て、とても幸せに感じる白人のビジネスマン
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志望動機で他の求職者と差をつける

志望動機には方程式があること、企業が採用を行う目的である「会社に利益をもたらす社員を増やす」という原理原則に基づいて志望動機を作ること。

このルールに沿ってさえいれば、「私の本当の思いは何だろう」とグルグル回るストレスなく、志望動機を作ることができます。

一方で、「なんだか味気ない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。その直感は正しいです。

志望する企業や事業部が好きで転職しようと考える人ほど、そう思うでしょう。

出版やスポーツ、エンタメといったファン時代が長く、憧れを持って転職する人が多い人気産業への転職に多い傾向であり、必要な要素があります。それが「この仕事に就きたい」という純度の高い気持ちです。「好きを仕事にしたい人向け」の志望動機の作り方をご紹介します。

なお、この志望動機の作り方は、人気産業に限らず他の求職者と差をつけるためにも有効です。

差がつく志望動機を作る5つのステップ

企業は「数ある企業の中で、なぜ弊社に応募するのか」を知りたがっています。

「たまたま知ったからです」が本音である多くの求職者は、他企業との違いがボンヤリしています。答えられれば大きな差になります(ちなみに、転職エージェント経由の面接で「紹介されたから」と、正直過ぎる回答で早々と落選する求職者もいます。そして転職エージェントには企業からクレームが届きます)。

この志望動機は、理詰めで作り上げたものとは違う角度から、あなたの志望動機に「私にしかつむげない言葉で作られた自信」をもたらしてくれます。

さて、「鋼の志望動機」の作成は5ステップあります。

【前編】
・ステップ1:「肯定的な影響」を分析する
・ステップ2:「ファン」か「提供者」か、自問自答

【後編】
・ステップ3:「ファン」から「提供者」へ意識が変わった瞬間を振り返る
・ステップ4:2つの価値分析
・ステップ5:未来の行動分析