企業はあなたが入社後にどう働くのか知りたい

「確かに今も最高ですけど、120%にできるよう『ここ』を改善したい」と伝えることが、あなたの志望動機にさらなる説得力をもたらします。

「改善策なんてわからない」と感じた人もいるかと思います。改善策は中長期的なものになりますから、無理もありません。イメージできなければ、「入社後の行動予定」を説明すれば十分です。企業はあなたが入社後にどう働くのかを知りたがっています。

ミスマッチは入社して数カ月以内に起きるからです。

最後に、簡単な志望動機フォーマットを記載します。現職の仕事や企業発見・分析にもお忙しいと思うので、ゼロから作る手間を省いてください。

私は○○(商品やサービス名)の価値をさらに広めたいと思い、志望しました。

私自身、○○(商品やサービス名)に勇気づけられ、●●という大きな変化を体験しました。過去の私のような悩みを持つ人はたくさんいます。

既にファンに愛され続けた歴史がある○○(商品やサービス名)ですが、私が考えた●●(改善策)と●●(行動)で、より多くのファンを獲得できると考えています。

とはいえ、まだまだこの業界については初心者です。ご縁をいただけることがあれば、まずは現場に出て●●のリアルを知りたいと考えています。

現場でみずから知識と技術を吸収する意欲を伝える

最後に「現場」を打ち出した理由をお伝えします。好きが高じて志望者が集まるいわゆる「夢産業」では、「見て盗め」の文化が強く残っているからです。「こうすればできるようになるよ」とノウハウが確立されていないので、現場で自ら知識と技術を吸収する意欲を伝えると印象が良いのです。

佐野創太『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)
佐野創太『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)

実際に、スポーツビジネス界に従事している葦原一正氏は、著書『稼ぐがすべてBリーグこそ最強のビジネスモデルである』(あさ出版)の中で「アルバイトで球団に入るパターン」が「意外とおいしい」と説明しています。

誰も否定できない「鋼の志望動機」を作る過程で、「やっぱり、好きなことを仕事にしたい」という思いを強くすることでしょう。

その気持ちが言葉になった時、書類の段階から企業は「覚悟を持って弊社を志望している」と感じます。期待されて始まる面接ほど、あなたと企業の相性の良さがわかるものではありません。入社後も一目置かれるでしょう。

ぜひ書類の段階からあなたの強い思いを伝えてください。

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