転職活動をラクに楽しく進めるには、どうすればいいのか。「退職学」の研究家の佐野創太さんは「転職エージェントをもっと効果的に活用すべきだ。特に面接の3日前までには、転職エージェントから『面接の赤本』をもらっておいたほうがいい」という――。

※本稿は、佐野創太『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

面接を受ける女性
写真=iStock.com/kazuma seki
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自信と余裕を与えてくれる「面接の赤本」

面接に答えがあるなら教えてほしい――。よく、多くの相談者さんからこう聞かれます。そんな時、私は次のようにお伝えしています。

「転職エージェントに『面接の赤本』をもらってください」。つまり「想定質問」と「お勧めの回答」です。面接の赤本はあなたが100%の力を出し切るために自信と余裕を与えてくれるお守りです。最大の価値はここにあります。

優秀な転職エージェントは過去に担当した求職者から、「面接で何を聞かれたか?」「どう答えたのか?」をヒアリング調査しています。「こうした回答をした人は、内定を取りやすい」と分析し、傾向と対策を練っています。

転職エージェントの調査の結晶である「面接の赤本」は、面接の3日前には必ずもらってください。中には「面接の赤本」をもとに、具体的な面接戦略を練ってくれる転職エージェントもいます。たとえば、次のようなイメージです。

「一次面接の人事には『社風共感型』でいきましょう。二次面接は現場の部長が出てくるので、仕事のやり方や入社後の目標を伝えることに集中します。最後は社長ですから、『御社で働きたいです』というやる気を最優先に打ち出してください。今はそうでなくても『第一志望です』と伝えてOKです。他社の選考状況も含め、細かな条件は私が調整するので安心してください」

転職エージェントに取材して、情報をまとめる

面接の赤本さえあれば「面接でどう答えたらいいか」の見当がつき、あれこれ悩まず、伸び伸びと面接に臨めるようになるのです。

実は担当者だけでなく、転職エージェントの会社全体として「面接の赤本」を作る体制の企業もあります。その場合、仮に動きの遅い転職エージェントが担当でも、リクエストすることで先輩や同僚エージェントから情報をかき集めさせることができます。現に、私が育成を担当している転職エージェント企業の多くは取り組んでいますし、やっていなければ「会社全体として面接の赤本を作ってください」とアドバイスしています。

もし転職エージェントが赤本を持っていなければ、自分で転職エージェントに取材して、情報をまとめます。

その際、次のような表にまとめると情報を整理しやすいので、使ってみてください。私が担当する相談者さんの中には、転職エージェントとこの表を共有して、一緒に面接の赤本を作った人もいます。