給料が高い仕事と低い仕事はどこが違うのか。起業コンサルタント・安田修さんは「給料は需要と供給で決まる。他の人にはできない仕事をする人や高い教育を受けた人の価値は高く、必然的に給料も高くなる」という。安田さんの著書『中学3年生の息子に贈る、学校では教わらない「お金の真実」』(Gakken)より一部を紹介する――。
オフィス街に立つ女性
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誰でもやれる仕事の給料は低くなる

仕事をすればお金がもらえる。これを当然のことと考える人は多い。君もきっと、アルバイトをすれば1時間千円とか、お金がもらえると思っているだろうし、事実その通りではある。

東京都の最低賃金は1113円(令和6年3月現在)だから、どんな仕事であれ働きさえすれば、最低でも1時間1113円はもらえるわけだ。これはあくまで最低賃金であって、仕事の内容によっては高い給料をもらえることもある。

では質問だ。給料が高いか低いかは、どうやって決まると思う? 給料の高い仕事は、低い仕事と何が違うのだろうか。

労働力が商品だとしたら、給料はどうやって決まるのか。実はこれも、需要と供給で決まる。お金さえ払えば何でもさせられるというわけではない。仕事の内容に応じて、給料が決まる。やりたい人やできる人が少ない仕事の給料は高めになるし、誰でもやれるか人気がある仕事の給料は低くなる。

高学歴な人が「仕事でも優秀」とは限らないが…

これは考えたらわかるだろう。君がやりたい仕事があったとしても、同じ仕事を安くてもやりたいという人が他にたくさんいたら、会社はわざわざ高い給料を払って君を雇うことはないだろう。

誰もやりたがらない、あるいは他の人にできないが必要な仕事なら、君にいくら高い給料を払ってでも雇いたいと思うだろう。給料もマーケットで決まるんだ。

だからできるだけ、他の人にはできない仕事をしたほうが給料は高くなる。君が今、必死に勉強して手に入れようとしている学歴もそこに価値がある。高い教育を受けた人の価値は高くなる。難しい試験問題で高得点を取れたのだから、きっと複雑な仕事もミスなくやってくれるのではないかと期待されるからだ。

実際には、よい大学に行っているからといって、仕事の面で優秀な人とは限らない。でも複雑な問題にあきらめずに挑んでくれて、うまくやろうと努力することを知っている人なのではないかということを期待して、会社は学歴の高い人を雇って高い給料を払っているんだ。勉強以外の強みがある人もたくさんいるけれど、それは長い時間をかけて付き合ってみないとわからないからね。