「すみません! 寝坊をしたので、走ってきました」
朝の9時50分。東京・池袋に本社を構えるクレディセゾンの受付に、汗だくの青年が現れた。東京支店で企画業務を担当している志賀正樹(28歳)だ。
約束は10時。遅刻でもないのに謝る志賀。「愛嬌もやる気もある若手社員だな」という好印象を、誰もが抱くだろう。
成績も抜群である。新卒入社から3年間は大手商業施設の営業担当として、各店舗との交渉や、店舗イベントに合わせた提携カード募集の企画立案・運営を精力的に行ってきた。
「カードの新規加入者募集を行う際、目標数値に届かないと気持ちが悪いのです。私自身も店頭に出ます。『午後だけで10件とります!』と宣言して必ず達成しますよ。私は声も身振り手振りも大きくて目立つので、お客様が足をとめてくれやすいのかもしれません」
すごい自信である。現在は、支店内で経営企画相当の業務を担当する志賀。旅行会社の利用客向けにカードのポイント還元システムを簡便化するなど、着々と成果を挙げている。
さらに、セゾンカードを通じたユニセフやユネスコへの寄付を呼びかける「愛あるプロジェクト」も自ら企画し、社内外を巻き込んで主導している。担当業務の枠をはるかに超えた活躍ぶりだ。
「私のテーマは世界平和なんです。カード会社が世界を救える! と本気で思っています」
仕事は仕事だと割り切っている凡人ビジネスマンならば苦笑してしまうような青臭いセリフだ。しかし、志賀は本気である。実績も残している。
「納得できない仕事を嫌々やりたくはありません。違うと思ったら上司にも意見します。それで敵が増えることは気にしません。一所懸命に誰かを喜ばせようと努力していれば、最終的にはうまくいくと信じています」